稲垣一樹行政書士事務所

群馬県高崎市の行政書士・住宅ローン専門ファイナンシャルプランナー


群馬県の令和6年路線価について

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7月1日に令和6年分の路線価が発表されました。日経新聞の記事によると29都道府県で平均値が上昇となっているとのことですが、残念ながら群馬県はその29都道府県には入れず下落となってしまいました。

今回は全国の路線価の傾向と群馬県の高崎、前橋、伊勢崎に焦点を当て、路線価についてお話をさせていただきます。

路線価とは何か

路線価とは国税庁により毎年7月頃公表される土地の価格のことです。主要道路に面した土地1平方メートルあたりの標準価格で、相続税や贈与税の算定基準となります。一般的には成約事例価格などの8割を目安に設定されるとされており、土地の市場価格の査定をする際には、路線価の価格を0.8で割り戻して計算することもあります。また路線価はどこの地域にもあるわけではなく、基本的には市街地に定められ、郊外や農村地域には設定されません。路線価がない場合には倍率評価となり、固定資産評価額に一定の倍率を掛けて算出します。不動産の価格の指標には他に、公示地価や基準地価、固定資産評価などもあります。

全国的な傾向

2024年路線価の全国的な傾向として、標準宅地の全国平均は前年比2.3%の上昇となり、過去10年で最大の上昇率となりました。都道府県ごとにおいては、冒頭でお話したように、29都道府県で平均値が上昇となり、前年の25から上昇地が拡大しました。伸び率が全国で最高だった都道府県は福岡県の5.8%です。福岡市の再開発促進策「天神ビッグバン」なるものの成果により、中心部の土地が高騰し、他の地域でもマンションの建設が相次いでいるようです。ちなみに下落幅が一番大きかったのは和歌山県のマイナス1.0%です。ちなみに和歌山は空き家率においても2024年は21.2%となっており、全国で最も高くなりました。

上昇地が拡大した背景にはインバウンドの影響が強くでています。全国の路線価地点の中で、上昇率が最も高かったのは長野県白馬村の32.1%、東京都内で最高の伸びだったのが浅草の16.7%と観光地が目立ちます。

また、半導体関連産業の影響も強く、全国の路線価地点の中で2位の伸び率となったのは半導体製造のTSMCの進出で話題となった熊本県の菊陽町であり、伸び率24.0%です。

その他、都心郊外においても都心のマンション価格の高騰により、埼玉県越谷市(6.4%)、葉県松戸市(7.1%)、千葉県柏市(4.1%)などで上昇率が高くなっています。

参照:日経新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE162UM0W4A610C2000000

群馬県の状況

ここからは群馬県の状況について調べていきます。群馬県においては上昇率がマイナス0.5%と32年連続で下落が続いていますが、前年がマイナス0.7%だったため下落幅は縮小しています。トピックとしては前橋の中心市街地である本町2丁目が32年ぶりに上昇したことでしょう。

各市町村の状況

ここからは高崎、前橋、伊勢崎の状況をそれぞれ調べていきます。

高崎市

高崎市において最も高い路線価となった場所が高崎市八島町・市道高崎駅・連雀町線です。1㎡あたりの路線価が46万円となっています。坪単価にすると約152万円となります。

場所がここです

高崎駅とオーパの前のこの通りです。

この通りは県内でも最高の路線価となっていますが、4年連続で横ばいとなっています。駅周辺ではマンション開発が次々と進んでいるように思いますが、上昇には繋がらなかったようです。
ちなみに現在本店タカハシ跡地、みずほ銀行跡地においてマンション開発が決まっていますがあの路線についても、本店タカハシ前15.5万円/㎡、みずほ銀行前12万円/㎡となっており3年連続変動はありませんでした。

前橋市

前橋市において最も高い路線価となった場所が前橋本町2(本町通り)です。路線価は13.5万円/㎡となりました。坪にして約42万9千円です。先ほど少し話しましたが、去年の13万円から実に32年ぶりの上昇です。

場所がここです

白井屋ホテルの前の通りです。白井屋ホテルは県外からもアートに敏感な方が多く訪れているようです。私は宿泊したことはなく、食事をした程度ですが非日常的で素敵な空間でした。
また裏通りの馬場川沿いも整備が進んでおり、著名なデザイナーのトイレが作られるなどアートに力を入れているのが分かります。また前橋のアーケードといえば寂れていて、人通りが少ないという印象でしたが、最近は休日になるとかなり人通りが増えてきているように感じます。特に若い方による新しいお店も増えており、高崎の駅前とはまた違った街づくりが進んでいるなと感じます。今後この地区は再開発が予定されていることもあり、今後も地価が上昇する可能性があります。ただ学校ができるとのことなので、行政書士としてはこのあたりの夜のお店が存続できるかが少し気になります。

伊勢崎市

個人的に伊勢崎市はゆかりのある場所なので調べてみました。伊勢崎市において最も高い路線価となったのは、伊勢崎市本町(本町通り)の4.9万円/㎡です。坪にして16万1千円。

場所はここです。

伊勢崎のメイン通りであり、夜のお店が多く並ぶ通りです。こちらは去年から変動はないものの、令和2年が5.1万円、令和3年と令和4年が5.0万円となっていることから徐々に下落しています。
近くでは伊勢崎市内で14年ぶりの分譲マンションが建てられ無事完売しているようです。

まとめ

今回は令和6年の路線価についてお話しました。群馬県全体においてはいまだ下落しているものの、下落幅は少なくなってきています。しかし今回は詳しくお話しませんでしたが、富岡と桐生市の最高路線価地点においては共にマイナス2.6%の下落、沼田はマイナス2.1%下落と県内においても2極化が進む傾向にあります。そんな中で長年寂れていると言われてきた前橋本町通りの路線価上昇は希望の光であり、官民協力してつくり上げた街づくりの成功例になるのではないかと感じています。個人的には桐生も定期的に通っていた時期のある街であり、とても好きな街です。前橋のような街づくりが各自治体に広がればいいなと感じます。



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