皆さんこんにちは。今回は4月1日よりリリースされた不動産情報ライブラリについてお話しさせていただきます。結論からいえばかなり便利なサイトであり、これから不動産の購入を考えている方は是非確認しておいていただければと思います。
不動産情報ライブラリとは
不動産情報ライブラリは国土交通省がリリースしているサイトであり、だれでも無料で利用することができます。4月1日以前は土地総合情報システムとして運用されていました。土地総合情報システムも不動産の取引き価格や、地価公示価格が簡単に調べることができる便利なサイトでしたが、不動産情報ライブラリはそれに大幅な改良が加えられ、SNSの不動産関連アカウントでも神サイトと呼ぶ声がちらほら見受けられます。不動産情報ライブラリで分かることは以下の通りです。
①国土交通省公示地価・都道府県地価調査の結果・・・国や県が発表している地価調査の価格
②不動産取引価格情報・・・国土交通省が不動産の取引き当事者を対象に実施しているアンケートの回答結果に基づく取引価格
③成約価格情報・・・レインズ(不動産業者のみが閲覧することができる不動産検索サイトのようなもの)の不動産の成約価格情報
④地形情報・・・国土地理院のデータに基づく、土地の陰影起伏図等の情報
⑤防災情報・・・洪水や土砂災害などのいわゆるハザード情報
⑥周辺施設情報・・・学校、図書館等の公共施設の他、医療機関、福祉施設の情報
⑦都市計画情報・・・そこにどんな建物が建てられるかを国や自治体が定めた情報
⑧人口情報・・・現在の人口や将来的に予想される人口の情報
以上の情報を取得することができます。土地総合情報システムでは価格の情報に限られていたことに比べると格段に情報量が増えました。
特に便利なのがこれらの情報をすべて地図上で把握できることです。
上の地図は公示価格を表した図であり、数字が出ている場所が調査地点とその1㎡あたりの価格になります。
公示価格の図に、ハザードマップを重ねてみました。黄色くなっている所が50㎝未満の洪水浸水が想定される区域です。
少し範囲を広げて、都市計画情報も重ねてみました。紫色の地域が商業地域であり、他の色はそれ以外の地域です。
今までは都市計画情報などを調べようと思うと、高崎市なら高崎市のホームページ、前橋市なら前橋市のホームページを確認しないといけなかったのですが、このサイトで一度で確認できるようになりました。
宮元町の取引情報を調べてみました。2022年10月から2023年9月の間に取引き件数が12件あり、取引価格情報が2件あります。
その内の1件の詳細を表示したら上記のような図が出てきました。詳しい場所までは公表されていませんが、坪72万はさすが宮元町ですね。前面道路20mとあるけどどこでしょうか。
注意点と活用法
今まで説明したようにとっても便利なサイトですが、注意点としては過信しすぎないことでしょう。例えば上記で説明した宮元町の事例ですが、これは不動産取引価格情報という、あくまでも取引当事者に対するアンケートの結果であり、公的な機関がその責任において公表している金額ではありません。
また各々の情報の鮮度という点においても、情報が反映されるまでタイムラグが発生する可能性もあります。
また個人的に注目してほしいのは都市計画情報の立地適正化計画区分と地区計画区分です。
濃い緑色になっている部分は居住誘導区域または都市機能誘導区域またはその両方に設定されている地域です。これはコンパクトシティという観点から、なるべく一つの地域に人口を集約させれば、インフラの整備も効率化できるため行政としてこの地域を発展させていきたいと考えている地域です。それは今後価値が上がる可能性のある地域だとも言えます。
また網掛のある部分は地区計画が設定されている地域であり、自治体が条例により独自に用途の制限を設けているエリアです。残念ながら不動産情報ライブラリでは詳細な地区計画の情報は確認できず、各市町村のホームページを確認する必要があります。ちなみに高崎市においては現在25地区の地区計画が決定されています。地区計画には住居用途に特化した計画や、工業、商業、大学に特化した計画など様々です。例えば住居系の地区計画が設定されているエリアにおいては、建物の高さは10m以内にしなければいけないとか、雀荘、パチンコは建築してはいけない、派手な看板を出してはいけないといった制限があります。それは良好な住環境が保たれやすいということであり、住宅用地としての価値は高まるでしょう。
まとめ
今回は不動産情報ライブラリについてお話させていただきました。前述したように不動産界隈からも好評であり、リリースした4月1日は多くのアクセスがあり、サーバーがパンクしたようです。また何より感じるのは一般の方も多くの不動産情報を知ることができ、不動産屋と一般の方の情報格差がどんどんなくなっていることです。私が以前不動産屋に勤務していたときも、一般の買主様の半分以上の方が事前にハザードなどを調べていました。そして繰り返して伝えたいのが過信しすぎないということであり、不動産の価格は同じ町内においても、接道や日当たり、近隣の環境などにより大きく変わります。2,3件の取引き事例のみを信じ、この町内の取引き相場はこの金額なんだから、この物件は割高だ!と思って購入を躊躇っていると良い物件を逃すことになりかねません。
不動産は多くの方にとって一生で一度の買い物になります。是非このようなサイトを活用し、過信し過ぎず、広い視野で情報の収集をしていただければと思います。
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